トマトの育苗時に気をつけたい高温障害は?収量減少の原因と対策
By kinomoto / 8月 4, 2024 / コメントはまだありません / 農業
トマトの育苗を始めると、特に夏場に直面するのが「高温障害」の問題です。田舎での暮らしを始め、庭や畑で野菜を育てたいという方にとって、この障害をいかに防ぐかは収穫量に直結する重要なポイントとなります。この記事では、トマト育苗の際に注意すべき高温障害とその対策について解説します。
高温障害とは、植物が耐えられないほどの高温にさらされたときに起こる生理的な問題です。特に、トマトは25度以上の気温が続くと成長に影響が出やすくなります。トマトは強い日差しを好むイメージがあるかもしれませんが、実際には長期間の高温環境は成長を妨げ、収量減少につながるリスクが高いです。たとえば、トマトが高温にさらされ続けると、花が落ちる、実が割れる、または果実がうまく育たず空洞になるといった現象が見られることがあります。特に、育苗中に高温障害が発生すると、苗が健全に育たないため、最終的な収穫量に大きく影響を与えることになります。日中の温度が35度を超えるような夏日が続く場合、特に注意が必要です。
高温障害が起こる理由の一つは、トマトが自ら環境を調整できないためです。例えば、人間は暑いときに汗をかいて体温を調節しますが、植物は蒸散によって体内の水分を放出しながら温度を下げます。しかし、高温が続くと蒸散が追いつかず、植物は水分を保持しようと気孔を閉じてしまいます。これにより、光合成が妨げられ、トマトの成長が遅れたり止まったりするのです。また、気温の変化が急激である場合、トマトの果実が裂けることもあり、これも高温障害の一つとされています。
トマト育苗における高温障害を防ぐためには、温度管理が不可欠です。育苗時には、ビニールハウスなどを利用することが多いかもしれませんが、密閉された空間では温度が急激に上昇することがあります。そのため、ハウス内の温度管理は非常に重要です。例えば、定期的に換気を行うことや、遮光カーテンを使って直射日光を和らげることが効果的です。もし自動換気装置を設置することができれば、気温が上昇しすぎる前に自動で換気してくれるので、非常に便利です。また、育苗中の日照にも注意が必要です。トマトは光合成に光を必要としますが、過度な日光は高温障害の原因になることがあります。苗が若いうちから過剰な日差しにさらされると、花芽の形成に悪影響を与え、後々の実付きに悪影響が出ることもあります。
さらに、土壌の水分管理も重要です。トマトは高温環境で水分を必要とする一方、過剰な水やりは根腐れを引き起こすこともあります。乾燥しすぎないように適度な水分を与え、特に晴天が続く前には徐々に潅水量を増やしておくことが有効です。急激な温度変化を避けるため、朝晩の涼しい時間帯に水やりを行うのがよいでしょう。また、液肥を適度に使い、トマトの栄養状態を保つことも高温障害の予防につながります。
トマトの育苗では、高温障害が特に夏場の大きな問題となります。高温障害は25度以上の環境が続くとトマトの成長を阻害し、花が落ちる、果実が裂けるなどの症状が発生しやすくなります。これにより、最終的な収量が減少するリスクが高まります。対策としては、ビニールハウス内の温度管理、適度な換気、遮光カーテンや自動換気装置の使用が効果的です。また、育苗時の水やりや液肥の使用も重要なポイントとなります。日照の調整や、土壌の水分管理を適切に行うことで、高温障害を予防し、健全なトマトの成長を促すことができます。